ビジネスにおける一番の悩みはなんですか?と問われた時に「人間関係」と答える人は多いのではないでしょうか。
かくいう私も同じように仕事上の人間関係で悩み続けてきました。
そんな時に出会ったのがデール・カーネギーの『人を動かす』でした。
何とも直接的なテーマで正直、「大丈夫かな?」とは思ったのですが、読み進めていくうちにそこらのコミニケーション本とは違う強い魅力を感じました。
人を動かすというより動いてもらう
まず『人を動かす』というタイトルに似合わず、徹底的に相手のことを思いやることで、その人に自発的に「動いてもらう」というような内容であることが分かりました。
みんなが持っている、自分のことを丁重に扱ってもらいたい、話しを聞いて欲しい、という欲求を素直に満たしてあげることで、お腹がいっぱいになった相手はこちらの要望も聞いてくれる、という考えには非常に感銘を受けました。
自分の要望を通したい時は、ついつい自分のことしか考えていないかも…と反省することもできました。
自分は好かれる人間か
次に「相手にまず好かれることが近道」だとカーネギーは言います。
たしかに自分が好きな相手のためならちょっと無理をしてでも、お願いを聞いてあげたくなるものですよね。
それには相手へ関心を持つのが重要。相手へ関心を持つことが出来れば自然と相手への質問などが湧いてきて関係が良くなっていくというんです。
この「相手へ質問して関係を深めていく」というのがポイントです。
自分の話しばかりして満足している時がある、という方は相手にどんどん話してもらうように心がけた方がいいかもしれません。
つまり「こんな人と友達になりたい!」と自分が思うような人に自分がなってしまおう、ということなんです。
自分が納得しないと人は動かない
自分の身になって考えて欲しいのですが、相手から「あれしろ!これしろ!」と言われたら動きたくなるでしょうか。
たしかに渋々行動することはあっても、内心は不満だらけですし、後々までマイナスの感情が残ってしまうかもしれませんよね。
そんなことを自分が誰かにしていないか?とカーネギーは読者に語り掛けてくるのです。なのでこの本には「正論で相手をねじ伏せよう」といったテクニックは一切書いていません。
童話「北風と太陽」の太陽のように穏やかで、優しく相手を包むことで相手に動いてもらえるようになるよ、と言うのです。
それなら試してみたい!と思うのは私だけではないはずです。
まとめ
デール・カーネギーの『人を動かす』の感想をお伝えしました。
特別、難しいことが書いてあるわけではないので誰でも簡単に読めてしまうのですが、何度も読んで自分の日々の行動で実践したくなる奥深い内容です。
要望を相手に押し付けるのでなく、自分が相手よりも先に与える側に回ることで、相手に気持ちよく動いてもらうという人間関係の基礎を学べたような気がします。
この本を読んで、私のように少しでも職場での人間関係が軽くなる方がいれば嬉しいです。