熊本はトマトの一大産地です。
その生産量、出荷量は日本一を誇り、2位の北海道の二倍以上です。
ここまで生産量の多い熊本のトマトは、なぜここまで多くの生産が可能なのでしょうか。
そもそも熊本はトマトの生産に向いた土地
トマトは、暖かく強い光を好みます。
これは、イタリアやギリシャで多くの生産ができるようになった理由でもあります。
もちろん、熊本もこういった暖かい地域と同じくらい温暖で、雨時期の6月や台風時期の9月に一時的に落ち込む傾向があるものの強い光が冬でも春でも期待できるのです。
実際日本でも1年を通して暖かく日射量も多いので、トマトが日本で最も適した地域の一つといえます。
熊本のトマトは産地リレーで多くの生産量を達成
気候条件だけであれば、3位以降の愛知、茨城、千葉といった地域も熊本に匹敵するトマトに適した条件があります。
しかし、熊本はさらに進歩して2つの生産時期の異なるトマト山地を持っているのです。
平坦部(収穫時期10月~6月)と高冷地(収穫時期6月~11月)の2つの場所で生産を行っており、これが他の道県の生産量の2倍に引き上げています。
ここで気になったのは高原で作れるのかということです。
実は、トマトの原産地はアンデス山脈の西側のペルー、エクアドル、ボリビアにかけての高原で、コロンブスの新大陸発見によりヨーロッパ各地へ伝わった経緯があります。
つまり、もともとは高原がトマトの育ちやすい地域なのです。
そのため、高原でもしっかり日照時間があれば育つため、熊本の高冷地でもトマト産地として生産が可能になります。
このように平坦地(熊本市内、八代、玉名などの産地)と標高400m高冷地(阿蘇、矢部などの産地)の2大産地によって効率の良いトマト生産を行うことで、全国トップの生産量を誇っているのです。
夏も冬も同じ県のトマトが楽しめるのは、ほとんど熊本のみといえるでしょう。