この記事では、加藤忠史さんの書いた「双極性障害」の内容を紹介します。
具体的な症例などが記載されているので大変参考になります。
なぜ躁うつ病は双極性障害となり、双極症に変わるのか
かつて、双極性障害のことは「躁うつ病」と呼ばれていました。
どうして名称が変わったのかが説明されています。
かいつまんで説明すると、かつて、躁うつ病が統合失調症などと比較すると軽い疾患と軽視されていたため、重大な疾患ということを医師たちに認識させるために、名称が双極性障害という病名が名付けられました。
社会生活を妨げてしまう双極性障害
双極性障害には1型と2型がありますが、1型の場合は社会生活をさまたげ、働けなくなることもあるリスクが具体的な事例を用いて紹介されています。
特に職場での人間関係がうまくいかなくなる事例が印象的でした。
そして、精神科や心療内科を受診することの大切さとその時の注意点が記載されています。
双極性障害の治療
双極性障害の治療には、薬物療法や電気けいれん療法、反復性経頭蓋磁気刺激療法、ケタミン、心理教育などの手法があることが説明されています。
特に薬物療法については具体的な薬が紹介され、それぞれについて、副作用などの紹介もされています。
症例
7つの双極性障害の症例が記載されています。
家族から見た患者の様子や、職場の同僚から見た患者の様子など客観的な視点で患者がどう見えるのかが解説されています。
双極性障害は併発症を伴うことが多いことも記載されています。
全ての症例が、医者から見た視点で書かれているため、どのような薬を処方してどんな効果があったのかが明確に記載されています。
双極性障害と付き合うために
双極性障害は症状と向き合い、上手にコントロールすることが大切と記されています。
そして、再発する人としない人の違いについての説明もありました。
最後に、双極性障害のコントロールは、病気を受け入れることと、投薬の継続により、病気のサインを見逃さず、それに対して冷静に対処することが大切と締めくくられています。
まとめ
今回は、「双極性障害」という本を紹介しました。
双極性障害は決して珍しい病気ではありません。
を患っている人にとっては、この本にも書いてあるように自分の病気についての正しい知識を身につけることが大切です。
病気の特性を知ることで、自分がどのように考えるべきなのか、どんな行動をするべきなのかがある程度見えてくるはずです。
この本では、具体的な症状や治療法が紹介されていてとても参考になります。
双極性障害は、なかなか完治することができず、ほとんどの患者は見かけ上回復していても、投薬を続け、再発防止に取り組んでいるのが現状です。
正しい再発防止策を立てるためにも、この本をおすすめしたいです。