各家庭から排出される生活排水は下水道や浄化槽によって処理され、きれいな水に戻して河川へと流されていきます。下水道や浄化槽は環境維持のために重要なシステムです。全世帯で下水道が整備されるのが一番ですが、郊外や山間部などでは世帯数が少ないため、建設費を一軒ごとに換算すると莫大な費用となってしまいます。そこで各家庭に浄化槽を設置することで汚水処理を行っているのです。
単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ転換
かつてトイレの水洗化に伴い各家庭に設置された単独浄化槽は、トイレの汚水のみを処理していたため、風呂や洗濯、調理などで排出される生活排水はそのまま放流されていました。そのため洗剤などによる汚染が環境問題となっていました。合併処理浄化槽は汚水と同時に生活排水も処理するため、下水道と同じように環境保護に大きな効果が望めます。現在では浄化槽=合併処理浄化槽で単独処理浄化槽の設置は認められていません。とはいえ全くなくなったわけではなく、少ないとはいえ単独処理浄化槽が実在しています。各市町村では合併処理浄化槽への転換に向けて補助金の支給制度を設け、水質環境の保全に努めています。
群馬県の浄化槽の状況
首都圏の水源地でもある群馬県の浄化槽および下水道の状況を見ると、一昨年の数値で汚水処理人口普及率が全国平均を下回り、関東地区でも再開となっていました。県では重要課題として単独処理浄化槽からの転換をすすめているようです。